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身体的拘束最小化・適正化のための指針
身体的拘束最小化・適正化のための指針
作成日:令和6年4月1日
更新日:令和8年8月12日
1.身体的拘束最小化・適正化に関する基本的な考え方
身体的拘束は患者の行動の自由を制限するものであり、患者の尊厳ある生活・活動を阻むもので
あるため、𠮷川病院では患者の尊厳と権利を尊重し身体的拘束を安易に正当化することなく職員
一人ひとりが身体的拘束最小化・適正化に向けた意識を持ったうえで患者の入院生活を支援していくことに努める
2.身体的拘束の定義
身体的拘束は、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当
該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいう
3.身体的拘束禁止の基準
医療サービス提供にあたって、患者の生命または身体を保護するため、緊急やむを得ない場
合を除き、身体的拘束、その他の患者への行動を制限する行為を禁止する
4.緊急・やむを得ない場合の例外3原則
患者個々の、心身の状況を勘案し、疾病・障がいを理解したうえで身体的拘束を行わないケア
の提供をすることが原則である。例外的に以下の 3 原則のすべてを満たす状態にある場合は、
必要最低限の身体拘束を行う場合がある
1)切迫性:患者本人または、他の患者の生命または身体が危険にさらされる可能性があり緊急性が著しく高いこと
2)非代替性:身体拘束その他の行動制限を行うこと以外に代替する方法がないこと
3)一時性:身体拘束その他の行動
5.緊急やむを得ない場合に該当するか検討が必要とされる患者の状態・背景
1) 気管切開、気管内挿管チューブ、中心静脈カテーテル、経管栄養チューブ、膀胱留置カテー
テル、各種ドレーン等を抜去することで、患者自身に生命の危機および治療上著しい不利益
が生じる場合
2)精神運動興奮(意識障害、認知障害、見当識障害、薬物依存、アルコール依存、術後せん妄
など)による多動・不穏が強度であり、治療に協力が得られない、自傷・他害などの害を
及ぼす危険性が高い
3)ベッド・車いすからの転倒・転落の危険性が著しく高い場合
4)検査・手術・治療で抑制が必要な場合
5)その他の危険行動(自殺・離院・離棟の危険性など)
以上いずれかの状態にあり且つ上記の3原則をみたすもの
*身体的拘束をやむを得ず開始した場合は態様及び時間、必要性等を診療録に記載し、速やかに
解除できるよう複数人(多職種)で継続・解除について毎日評価し、記録する。
6.身体的拘束の方法
1)ミトン
2)抑制衣
3)抑制帯
4)車いすテーブル
5)その他
身体的拘束か否かは、対象となるものが「身体につながっており、身体を動かなくさせているかどうか」を判断基準とし、以下は非該当とする
センサーマット: 身体に直接つなぎ動きを止めるものではないため拘束には当たらない
4点柵: 動きを制限するのではなく転落防止が目的であり、患者が自ら外せる状況であれば拘束には当たらない
7.身体的拘束最小化に向けた日常ケアにおける基本方針
身体的拘束を行う必要性を生じないために、日常的に以下のことに取り組む
・患者主体の行動、尊厳ある入院生活が送れるよう努める
・言葉や対応などで、患者の精神的な自由を妨げないように努める
・患者の想いをくみ取り、患者の意向に沿った医療サービスを提供し、多職種協働で
個々に応じた丁寧な対応を心がける
・患者の安全を確保する観点から、患者の自由(精神的・身体的)に安楽を妨げるような行為を行わない
・「やむを得ない」と安易に身体的拘束に該当する行為を行っていないか、常に振り返りながら患者に主体的な入院生活を送っていただけるよう努める
・多様な視点から患者の安全を考慮し、対応困難時には薬物を適正使用するための検討を行い鎮静を図る(認知症サポートチーム委員会への相談)
8.鎮静を目的とした薬物の適正使用
・鎮静の必要性がある場合に患者・家族に説明し同意を得る
・身体的拘束を行う基準に準ずるような状況になった場合に使用する
9.身体的拘束最小化チームの設置
身体的拘束最小化推進のため医師及び看護師等からなる身体的拘束最小化チームを設置し、下記業務を行う。チームは認知症サポートチーム委員会と一体的な運営を行う。
・院内での身体拘束廃止に向けて実施状況の把握及び改善についての検討を行う
・身体的拘束を実施せざるを得ない場合の検討を行う
・身体的拘束を実施した場合の解除の検討を行う
・身体的拘束最小化のための指針の作成、見直しを行う
・身体的拘束廃止に関する職員への指導・周知を行う
10.患者および家族への説明と同意
身体的拘束の必要性がある場合、医師は本人または家族の意思を尊重した十分なインフォームドコンセントを行い身体的拘束の必要性、方法、身体抑制を行う上での不利益などを患者・家族へ説明し同意を得る
11.身体的拘束についての職員教育
1)身体的拘束最小化のための指針の周知
2)学研メディカルサポートの活用
以上
根拠法令:医療法施行規則第一条の十一(安全管理の体制)
第一条の十一 病院等の管理者は、法第六条の十二の規定に基づき、次に掲げる安全管理のための体制を確保しなければならない(ただし、第二号及び第五号については、病院、患者を入院させるための施設を有する診療所及び入所施設を有する助産所に限る。)。
一 医療に係る安全管理のための指針を整備すること。
二 医療に係る安全管理のための委員会(以下「医療安全管理委員会」という。)を設置し、次に掲げる業務その他の医療に係る安全管理のための業務を行わせること。
イ 当該病院等において重大な問題その他医療安全管理委員会において取り扱うことが適当な問題が発生した場合における速やかな原因の究明のための調査及び分析
ロ イの分析の結果を活用した医療に係る安全の確保を目的とした改善のための方策の立案及び実施並びに従業者への周知
ハ ロの改善のための方策の実施の状況の調査及び必要に応じた当該方策の見直し
三 医療に係る安全管理のため、従業者の医療の安全に関する意識、他の従業者と相互に連携して業務を行うことについての認識、業務を安全に行うための技能の向上等を目的として、医療に係る安全管理のための基本的な事項及び具体的な方策についての職員研修を実施すること。
四 医療機関内における事故報告等の医療に係る安全の確保を目的とした改善のための方策を講ずること。
五 当該病院等における医療に係る安全管理について、知識を備え、かつ、責任をもつて業務を行う者(以下「医療安全管理者」という。)を配置し、次に掲げる事項を行わせること。
イ 医療安全管理委員会が実施する医療に係る安全管理のための業務の支援
ロ 第三号の職員研修の全部又は一部の実施(当該病院等の管理者が指示した場合に限る。)
ハ 前号の方策を円滑に実施するために必要な業務の実施
六 当該病院等における医療に係る安全管理に関する記録を整備すること。
2 病院等の管理者は、前項各号に掲げる体制の確保に当たつては、次に掲げる措置を講じなければならない(ただし、第三号の二にあつてはエックス線装置又は第二十四条第一号から第八号の二までのいずれかに掲げるものを備えている病院又は診療所に、第四号にあつては特定機能病院及び臨床研究中核病院(以下「特定機能病院等」という。)以外の病院に限る。)。
一 院内感染対策のための体制の確保に係る措置として次に掲げるもの(ただし、ロについては、病院、患者を入院させるための施設を有する診療所及び入所施設を有する助産所に限る。)
イ 院内感染対策のための指針の策定
ロ 院内感染対策のための委員会の開催
ハ 従業者に対する院内感染対策のための研修の実施
ニ 当該病院等における感染症の発生状況の報告その他の院内感染対策の推進を目的とした改善のための方策の実施
二 医薬品に係る安全管理のための体制の確保に係る措置として、医薬品の使用に係る安全な管理(以下「安全使用」という。)のための責任者(以下「医薬品安全管理責任者」という。)を配置し、次に掲げる事項を行わせること。
イ 従業者に対する医薬品の安全使用のための研修の実施
ロ 医薬品の安全使用のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施(従業者による当該業務の実施の徹底のための措置を含む。)
ハ 医薬品の安全使用のために必要となる次に掲げる医薬品の使用(以下「未承認等の医薬品の使用」という。)の情報その他の情報の収集その他の医薬品の安全使用を目的とした改善のための方策の実施
(1) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第十四条第一項に規定する医薬品であつて、同項又は医薬品医療機器等法第十九条の二第一項の承認を受けていないものの使用
(2) 医薬品医療機器等法第十四条第一項又は第十九条の二第一項の承認(医薬品医療機器等法第十四条第十三項(医薬品医療機器等法第十九条の二第五項において準用する場合を含む。)の変更の承認を含む。以下この(2)において同じ。)を受けている医薬品の使用(当該承認に係る用法、用量、効能又は効果(以下この(2)において「用法等」という。)と異なる用法等で用いる場合に限り、(3)に該当する場合を除く。)
(3) 禁忌に該当する医薬品の使用
三 医療機器に係る安全管理のための体制の確保に係る措置として、医療機器の安全使用のための責任者(以下「医療機器安全管理責任者」という。)を配置し、次に掲げる事項を行わせること。
イ 従業者に対する医療機器の安全使用のための研修の実施
ロ 医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施(従業者による当該保守点検の適切な実施の徹底のための措置を含む。)
ハ 医療機器の安全使用のために必要となる次に掲げる医療機器の使用の情報その他の情報の収集その他の医療機器の安全使用を目的とした改善のための方策の実施
(1) 医薬品医療機器等法第二条第四項に規定する医療機器であつて、医薬品医療機器等法第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の十七第一項の承認若しくは医薬品医療機器等法第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないもの又は医薬品医療機器等法第二十三条の二の十二第一項の規定による届出が行われていないものの使用
(2) 医薬品医療機器等法第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の十七第一項の承認(医薬品医療機器等法第二十三条の二の五第十三項(医薬品医療機器等法第二十三条の二の十七第五項において準用する場合を含む。)の変更の承認を含む。以下この(2)において同じ。)若しくは医薬品医療機器等法第二十三条の二の二十三第一項の認証(同条第七項の変更の認証を含む。以下この(2)において同じ。)を受けている医療機器又は医薬品医療機器等法第二十三条の二の十二第一項の規定による届出(同条第二項の規定による変更の届出を含む。以下この(2)において同じ。)が行われている医療機器の使用(当該承認、認証又は届出に係る使用方法、効果又は性能(以下この(2)において「使用方法等」という。)と異なる使用方法等で用いる場合に限り、(3)に該当する場合を除く。)
(3) 禁忌又は禁止に該当する医療機器の使用
三の二 診療用放射線に係る安全管理のための体制の確保に係る措置として、診療用放射線の利用に係る安全な管理(以下「安全利用」という。)のための責任者を配置し、次に掲げる事項を行わせること。
イ 診療用放射線の安全利用のための指針の策定
ロ 放射線診療に従事する者に対する診療用放射線の安全利用のための研修の実施
ハ 次に掲げるものを用いた放射線診療を受ける者の当該放射線による被ばく線量の管理及び記録その他の診療用放射線の安全利用を目的とした改善のための方策の実施
(1) 厚生労働大臣の定める放射線診療に用いる医療機器
(2) 第二十四条第七号の二に規定する診療用放射性同位元素使用器具
(3) 第二十四条第八号に規定する陽電子断層撮影診療用放射性同位元素
(4) 第二十四条第八号の二に規定する診療用放射性同位元素
四 高難度新規医療技術(当該病院で実施したことのない医療技術(軽微な術式の変更等を除く。)であつてその実施により患者の死亡その他の重大な影響が想定されるものをいう。以下同じ。)又は未承認新規医薬品等(当該病院で使用したことのない医薬品医療機器等法第十四条第一項に規定する医薬品又は医薬品医療機器等法第二条第五項に規定する高度管理医療機器であつて、医薬品医療機器等法第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の十七第一項の承認又は医薬品医療機器等法第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないもの(臨床研究法(平成二十九年法律第十六号)第二条第二項に規定する特定臨床研究に該当する研究に用いられるものを除く。)をいう。以下同じ。)を用いた医療を提供するに当たつては、第九条の二十の二第一項第七号又は第八号の規定に準じ、必要な措置を講ずるよう努めること。
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